Taniumのタグ機能、使ってはいるけれど「これで合っているのか?」と不安に感じたことはありませんか。気づけばタグがごちゃごちゃに増えて整理されていない、他社はどんなふうに運用しているのか気になる、使い方のコツがあれば知りたい——そんな声をよくいただきます。
本記事では、タグの用途と付与タイミングの基本から、Custom TagとEnhanced Tagの違い・使い分けのコツ、そして運用を破綻させないための事前設計まで整理します。
Taniumのタグ機能、使ってはいるけれど「これで合っているのか?」と不安に感じたことはありませんか。気づけばタグがごちゃごちゃに増えて整理されていない、他社はどんなふうに運用しているのか気になる、使い方のコツがあれば知りたい——そんな声をよくいただきます。
本記事では、タグの用途と付与タイミングの基本から、Custom TagとEnhanced Tagの違い・使い分けのコツ、そして運用を破綻させないための事前設計まで整理します。
Taniumが取得できるのは、端末のレジストリやファイルなど、コマンドラインで参照できる情報に限られます。「この端末はどの部署のものか」「誰が使っているか」といった情報は、どこかに記録されていなければTaniumからは見えません。タグは、こうした情報を端末のレジストリやファイルに書き込んで、Taniumから参照できるようにする仕組みです。
タグで識別する情報は、大きく3つに分類できます。
これらのタグは、以下のような場面で活用されます。

タグは端末管理の「分類基盤」です。ここが整っていないと、コンピュータグループの設計やポリシー配信の精度にも影響が出てきます。
「タグはあとから付ければいい」と思われがちですが、すべてを後から付けられるわけではありません。タグの付与タイミングは、付けるタグの種類によって変わります。
資産番号や利用部門など、端末自体が持っていない情報は、後からTaniumで付けることができません。Taniumから見えるのは端末上に存在する情報だけなので、「この端末がどの部門のものか」を端末自身が知らなければ、絞り込んでタグを付けることも不可能です。
こうした情報は、端末をキッティングする時点、あるいはTanium Clientをインストールする時点で付与しておく必要があります。具体的には、tanium-init.dat(初期化ファイル)にタグ情報を組み込む方法、インストールスクリプト(install.batやシェルスクリプト)に組み込む方法、レジストリに直接書き込む方法などがあります。
一方、パッチ配信の対象指定や検証端末の選定など、運用の中で状況に応じて変わるタグはコンソールからAction実行で付与すれば十分です。
また、CMDBなどの外部システムからデータ連携してEnhanced Tagを更新するケースもあります。

付与タイミングを誤ると、後から「この端末に付けたいのに付けられない」という事態が発生します。端末上にない情報を扱うタグは、最初から付けておく。これがタグ設計の基本原則です。
Custom Tagは、多くのTaniumユーザーが最初に触れるタグ機能です。仕組みはシンプルで、Action実行により、端末のレジストリ(Windows)やローカルファイル(Non-Windows)にタグ名を書き込みます。
Custom Tagの最大の特徴は、タグの「名前」だけが情報を持つという点です。値(value)の概念がなく、名前そのものが分類ラベルになります。
例えば、本社、東京拠点、サーバ、VDI、パッチ対象 といった具合です。

このシンプルさがメリットである一方、注意点もあります。タグは文字でしか識別できないため、命名規則を決めておかないと混乱の原因になります。例えば組織名をタグで管理する場合、それが組織名を示すタグであることがわかる接頭辞を付けるなどのルールが必要です。ルールなしでタグを付けてしまうと、さまざまなタグが混在する中から「組織タグ」だけを抜き出すのが難しくなります。
Enhanced Tagは、Custom Tagと比べて知名度が低く、「名前は聞いたことがあるけれど使ったことがない」という方も多い機能です。ここでは仕組みから丁寧に解説します。
Enhanced Tagは、カテゴリ・タグ名・タグバリューの3つの要素で構成されます。具体例で見てみましょう。
このように、タグ名ごとに端末それぞれ異なるタグバリューを持たせることができます。

Custom Tagが「名前だけ」で情報を持つのに対し、Enhanced Tagは構造化された情報を持てます。カテゴリ「所有者情報」、タグ名「組織」で検索すれば、各端末がどの組織に属しているかを一覧で確認できるのです。Custom Tagのように命名規則で苦労することがありません。
Enhanced Tagの付与は、以下の流れで行います。
マッチング方式として、ホスト名、FQDN、サブネット、正規表現に対応しています。例えば、サブネットベースで拠点を自動分類するといった使い方が可能です。
Enhanced Tagは、端末に対して1つだけ割り当てたい属性の管理に最適です。1タグ名1タグバリューで「この端末の組織は○○」「この端末の資産番号は○○」が明確になります。
さらに、一括付与でありながら端末ごとに異なる値を設定できるため、大量の端末にそれぞれ異なるタグを効率的に付与できます。
Custom TagとEnhanced Tagは、どちらか一方だけを使うものではありません。それぞれの特性を理解した上で、場面に応じて使い分けるのが効果的です。
迷ったときは、シンプルな基準で判断できます。

実際の運用では、Custom Tagだけを使っている企業が多数派です。Custom TagとEnhanced Tagを併用しているケースが残りで、Enhanced Tagだけというケースはほとんどないのではないでしょうか。
タグ運用でよくありがちなのは、その場その場で命名規則なくタグを付与してしまい、後々必要なタグだけを抽出しようとしたときに困るというケースです。事前にルールを決めておくことが最重要です。
また、Taniumからタグを付け替えるには端末がオンラインでなければなりません。安易にタグを付けてしまうと、後から修正・削除したくても対象端末がオフラインで変更できないケースが発生します。だからこそ、最初の設計が大切なのです。
1. 用途・目的 どの分類軸をタグで管理するかを明確にします。コンピュータグループとも密接に関連するため、連動して設計するのが良いでしょう。
2. 命名規則 プレフィックスやカテゴリ名を統一します。特にCustom Tagでは、ルールなしで各自が自由に付けると「これって何用のタグなんだ」という状態になり、運用が破綻します。
3. タグ管理(記録) どのタグが存在するか、誰がいつ追加したか、何の目的か——タグ一覧表を作成・維持しておくことが大切です。
4. 棚卸し 定期的に不要タグ、重複タグ、命名規則逸脱を確認・整理します。不要になったタグは棚卸しして削除していく運用ルールをまとめておきましょう。

タグの追加・変更・削除について、「誰が」「いつ」「どういった目的で」行うかをルール化しておくことも、運用の安定には欠かせません。
タグはTanium端末管理の「分類基盤」です。用途を正しく理解し、Custom TagとEnhanced Tagを場面に応じて使い分けることで、コンピュータグループの設計やポリシー配信など、運用の効率性が大きく変わります。
そして、タグ運用は事前設計が9割です。用途・命名規則・管理・棚卸しのルールを先に決めてから運用を始めることで、後々の混乱を防げます。
弊社では、タグ設計も含めたTanium運用設計のご相談もお受けしています。「うちの環境だとどうするのがベストだろう」と迷われた際は、お気軽にお声がけください。